持続化補助金

持続化補助金の書き方と注意点

持続化補助金の申請から入金まで397日。

今回は、持続化補助金の申請書の書き方と注意点について書いてみますので、参考になれば。

記載内容の前提について

今回は、『経理が小規模事業者補助金でホームページをつくることにしたら』というテーマで、様式1-2の経営計画と補助事業計画について、記入例と書き方のポイントを説明しています。

〇サービスを提供する場合の小規模事業者持続化補助金(一般型)の「経営計画と補助事業計画」の記入例。

〇私が申請で記入した内容を一部修正して記載。

※申請書の書き方は、補助金がもらえることを確定しているものではありません。

持続化補助金の一般型の書き方

<経営計画>

1. 企業概要

(1) 開業日:〇年〇月〇日
(2) 従業員:□人
(3) 事業内容
① 経理代行業:領収書を受け取り、帳簿と決算書の作成して報告、定期的な支払処理。必要に応じて資金繰りや経営アドバイス。
② セミナー業:社長、個人事業主向けに経理セミナーを開催。
③ 経理担当者の指導・助言。
④ 契約形態:顧問契約又は、単発相談で、平均単価:〇万円(税抜き)。
⑤ 売上構成とお客さまについて
 ・〇年度の売上高:〇万円
 ・現状は、経理代行がメインの事業。
 ・お客さま客は紹介やセミナーから多く、これかでは対面で仕事を獲得してきた。ただ、新型コロナウルス感染症により対面で人と会うことが難しくなっており、ホームページからの問い合わせを増やしていきたいと考えている。
 更に、問い合わせから来た顧客は、経理に対して興味関心が高い。したがって、ホームページからの集客を伸ばしていきたい。

<売上構成と利用顧客>

業務内容お客さま年間売上高契約の経緯
経理業A社〇万円HPの問い合わせ
経理業B社〇万円セミナー
セミナー〇名〇万円セミナー


<セミナーの様子>  
※写真を載せておくと、見る側にはリアルな様子が伝わるので、写真があるといいでしょう。

(4)信条
 経営者に寄り添う経理として、社長の夢の実現と、事業継続をサポートしていく。経営やお金の相談を受けるだけでなく、人生のパートナーとして付き合っていくことが信条。

※ 企業概要のポイント
ここでは、これまでの実績を記載しましょう。特にセミナーや打ち合わせの写真は撮っておかないと掲載できないので、探しておきましょう。

2. 顧客ニーズと市場の動向

(1) 顧客ニーズ
・社長自身は売上を伸ばすために、本業のみに集中したい方が多いことから、お金の管理を含めたバックオフィス全体を任せたいニーズが中心である。一方で社員を雇うほどの予算がなく、雇っても退職リスクがあるので、外注したいというニーズが増えている。

・社長は本業に多くの時間を取られてしまうので、人材を探す時間がなく、インターネットでやり取りをしたいというニーズを持つ顧客が多い。

(2) 取引先ニーズ
・お客さまからは、お金の窓口あると、やり取りがスムーズで安心できるというニーズがある。

(3) 市場全体の動向
・〇〇の調べによると、□□市場における2023年までの年間平均成長率は〇%、市場規模は〇円と言われており、人材不足と働く側の多様性により、ますます拡大傾向にある。

(4)競合他社の状況
・代表格は、〇株式会社で国内に〇店舗を超える
・この他にも、この業界に参入している〇社があり、こちらは〇〇が強みであるが、私には〇〇という強みがあり、差別化ができると考えている。

※顧客ニーズと市場の動向のポイント
ここでは、これまでの経験やこれまで自分が受けた質問、感謝の声を参考に書くといいです。

3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み


・〇〇から□□までワンストップでできることが強み。更に、ひとりであるためレスポンスも早く、即答できる強みもあります。
過去に、〇〇を行い、「業務を進める速度が速い」と喜ばれました。
・分業体制をしていないため、会社と個人をトータルで考えた提案ができる。
・これまで、売上〇円~〇円規模の会社で働いており、国内だけではなく、国外取引の経験や債券回収、会社全体の業務改善も行ってきたため、経理だけではなく会社全体を見た提案をできるのが、競合との違いと考えられる。


4.経営方針・目標と今後のプラン
〇経営方針
・以前から評価頂いている信頼性とスピード感。経理は、お金を扱う分、信頼がすべてと考えており、今後も正しいお金の情報発信を行っていく。更に、スピード感を持った対応をすることで、市場の変化に柔軟に対応し、自社とお客様、取引先の三方よしの経営を実現する。

〇目標
・定量的な目標は、2021年12月までに年商〇万円にすること。

業務内容直近の売上今年の売上見込み来年の売上見込み
経理業〇万円〇万円〇万円
セミナー〇万円〇万円〇万円

・定性的な目標は、「仕事ができる人」だけではなく、依頼したいと思ってもらえる人間力を見てもらい仕事を増やしたい。「〇〇のことなら新井」と言われるように行動していく。

〇今後のプラン
・これまでは、紹介やセミナーなど、対面で会うだけで顧客を獲得できており、営業をほとんどしていなかった。しかし、今後の売上の拡大と経理の重要性を伝えていくためには、自ら積極的に情報発信が必要であると考えている。そこで〇年〇月までに当ホームページを開設する。

・これまで会ったことのない方との接点を持つ場がなかったため、経理の情報発信と合わせて、お客立ち情報をホームページで発信していく。
更に、SNSも並行して運用を行い、見つけてもらえるようにする。

<補助事業計画>

Ⅰ.補助事業の内容

1.補助事業で行う事業名
・ホームページの活用で経理の重要性を周知する事業  
2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容
〇補助事業の概要
・当社では、積極的な広告活動をほとんど行っていない。これまでは、対面で会った方を中心に顧客を獲得しており、人間性に依存している状況である。
 この状況を改善するべく、ホームページを活用して、人間性と共に、自社の強みや経理の情報発信をすることで、売上拡大を図るものである。

〇これまでの自社。他者の取組と異なる点
・先述通り、当社はこれまで広告活動をほとんど行っていない。そのため、ホームページの開設は当社にとって新しい取組みである。

・競合他社では、ホームページを始め、SNSやチラシ等で広告を行っている。しかし、〇〇なことに違いがあり、私が行うことと他社とでは異なる点があると考えられる。

〇創意工夫した点・特徴
・〇〇が伝わるホームページとする。
・具体的には、〇〇を掲載したり、お客さまの声を紹介するなどを通じて、知識やスキルだけではなく、リアルさが伝わるようにする。
また、経理については、文字だけではなく、図や絵を使って、ひと目で伝えたことが伝わる形をとっていく。
・ホームページの開設に合わせて、SNSの運用も始める。こちらは主に〇〇に向けて、役立つ情報発信をしていく。

〇補助事業の進め方について
・ホームページの作成は外注先と連携して作成する。人間味の出てくるホームページにするためにも、コミュニケーションをしっかり取って、新井の人間性も理解してもらえるようにする。
・スケジュールは10月にホームページの大枠を作り、SNSのアカウントの開設、11月に社長、個人事業主などに関係するコンテンツの作成、12月にホームページの公開という流れを予定している。  
・ホームページの公開後の情報発信やチャットアプリの運用は、当社で行い、内容や反応を外注先でチェックしてもらい、徐々にノウハウを貯めていく予定である。
3. 業務効率化(生産性向上)の取組内容
特になし
4.補助事業の効果【必須記入】
〇売上への効果
・ホームページをきっかけとした新規問い合わせを12名を見込む。
・経理に興味がある方が問い合わせをしてくると見込めるので、現在契約している〇〇社のように月額〇万円の契約を見込んでいる。
〇取引先への効果
・経理代行が増加することで、税理士や社労士への紹介も出来ることから、取引先の売上増加にも直結する。
〇地域社会への効果
・経理代行を始め、セミナーもオンラインで行うため、地方にある企業からも依頼が期待でき、地方にいながら経理の仕事を依頼できるため、結果的に本業に集中できる状況を作り出し、経営基盤を整えることに貢献できる。    

注意点

事前に業務内容のまとめと競合分析をしておくことで、申請書を書くときに役に立ちます。

申請書を作成するなら、1カ月~2カ月の準備期間があったほうがいいでしょう。

特に、
・今の経営状況(売上、取引先数、強み、弱み)
・競合他社との違い、市場環境
・補助金を受ける事業の目的
・補助金を受けることのメリット
を分かるように記載しておくことで、補助金で取り組む内容が伝わりやすくなります。

文章が長くなると見にくくなるので、箇条書きを使って項目を出して書くと見やすくなります。

申請までの流れ

1.申請書の作成

2.地元の商工会議所でチェック(必要に応じて修正します)

3.地元の商工会議所で審査と承認

4.日本商工会議所へ申請書の提出

持続化補助金のメリット

持続化補助金のメリットは、その名の通り、事業の投資を補助してくれること。

最大で50万円の補助が受けられるので、金銭的なメリットは大きいです。

例えば、75万円かかる費用が、実質負担は25万円。

持続化補助金のデメリット

持続化補助金のデメリットは、先にお金を出さないといけないこと。

資金繰りとしては、先出しになるため、支出する金額を想定した事業計画を立てておく必要があります。

更に、入金が1年以上かかる場合もありますので、資金面では余裕を持っておくことをおススメします。

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araihirofumi
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経理のフリーランスとして仕事をしている「超経理 新井」です。 資金繰りを通して、お金の診断を行い、手元に残るお金を増やすサポートさせて頂いています。 今のお客さまの中には、1年で売上が6倍、手元に残るお金が10倍になったお客さまもいます。 「攻めたい社長」に並走できる、経営の分かる経理マン。会社の財務基盤を強くする専門家。 ✓毎月のお金の心配から解放されたい…! ✓経理業務の煩わしさを何とかしたい…! ✓社長が本来すべき、未来をつくる仕事に専念したい…! そんなあなたに、客観的に数字に向き合い、タイムリーな財務情報の提供を通じて、テンポの良い意思決定と強い経営基盤づくりをサポートしています。 地味で面倒に思われがちな経理業務ですが、数字が見えているからこそ積極的に経営に係われるはず…!そんな思いを込めて「超経理」と名付けました。