②起業サポート

第2回ビジネス合宿in大野市を開催して再認識した「ビジネスプラン」の重要さ

11月15日~17日まで、福井県大野市で地域おこし協力隊のビジネス合宿を開催してきました。

この合宿の内容と、合宿を通して再認識した「起業の最初の1歩目に必要なビジネスプランの重要さ」を記録しておきます。

来年も開催する予定なので、ビジネス合宿の内容や起業してみたい方の参考になればうれしいです。

ビジネス合宿in大野市の概要

ビジネス合宿は、昨年に引き続き2回目の開催です。
(前回の様子はこちら↓)
https://note.com/araihirofumi/n/n8c4160afdad8

合宿の目的は、「ビジネスプラン」を作ること。
(※ビジネスプランの重要さは、この後書いていきますね。)

今回、ビジネス合宿in大野市に参加していただいたのは、各地の地域おこし協力隊の方10名(茨城県、長野県、岐阜県、福井県、香川県、広島県、沖縄県)。

参加された方のお悩みは・・・

事前アンケートの内容(一例)

・地方で起業したい
・起業に向けた具体的な準備をしたい
・収入の柱を増やしたい
・経験の棚卸しを行い、次年度以降の計画を立てたい
・アイデアがまとまらないから、アイデアの選択方法を学びたい
・ビジネスのノウハウについて具体的に学びたい
・起業に関する知識を学び、計画を具体化したい

今回の合宿では、大野市の事業者(複数の収入源を持っている方)の実例を見たり聞いたりして(インプット)、合宿の最終日に現時点のご自身のビジネスプランの発表(アウトプット)をしてもらいました。

ビジネスプランを作るときに必要なことは、インプットだけではなく、アウトプットすること。

書いて、話すことでプランがより具体的になり、自分が何をすべきか見えてきます。

そのため、ビジネス合宿ではアウトプットの時間を作りました。

研修3つ+発表1つ

今回の合宿では、講師を招いて3つの研修を行っています。

1.農業×道の駅×福井県初のモンベル誘致の話
福井県大野市の道の駅の立上げとアウトドアショップのモンベルの誘致に関わった方に、道の駅の仕組みや農家の野菜や果物の販売ルートや販売方法、モンベルを誘致した際に実践した話。

2.地域おこし協力隊×起業
地域おこし協力隊であり、起業家(インターネットサービスやSNS事業の分析、戦略立案)をしている方に、起業までの道のりや協力隊との両立についての話。

3.複業(ゲストハウスの経営×デザイナー)
ゲストハウスハウスの立ち上げから運営までを行い、本業ではデザイナーをしている方に、ゲストハウスの立ち上げのときに実践したこと、運営方法から課題まで、経験しないと分からないことについての話。

4.ビジネスプランの発表
最終日は参加者の皆さんに、現時点で考えているビジネスプランややってみたいことを発表してもらいました。

参加する前は、何をしていいか分からない方やアイディアをどのように形にすればいいか分からない方もいました。

それでも、研修や合宿中の会話(アウトプットの時間)を通して、自ら気づきや学びを得て、全員がビジネスプランを完成することができています。

発表は、プレゼン形式で1人5分。
想いや考えがあふれ出してきて、制限時間5分を軽くオーバーする方も多く、熱量のこもったビジネスプランを発表していました。

ビジネスプランの重要さ

ビジネスプランって必要なの?
ビジネスプランってなくても大丈夫なんじゃない?
作ったことないし分からない・・・
と思っている方もいるかもしれません。

ただ、会計コンサルタントを本業とする私からすると、
起業するなら、ビジネスプランは必須!だと考えています。

「ビジネスプラン」を作らずに起業をするのは、地図を持たずに森の中を歩くようなものです。

自分がいる場所や向かう方向が全く分からずに森の中を歩くなんて、非常に危険ですよね?

  • 起業は先が読めない
  • やってみないと何が起きるか分からない
  • 未来を予測することは不可能

という方もいますが、ビジネスプランを作ることで、現状が分かり、今からするべきことが分かるのため、私はビジネスプランだと考えています。

ビジネスプランとは!?

ここからは、ビジネスプランを具体的に説明していきますね。
これまで、ビジネスプランを作ったことがない方は、これだけでも考えてみてください。

【ビジネスプラン】
1.事業内容:起業する事業の中身、自社の強み、競合との違い、業界の将来性
2.ヒト:人を雇うか、外注するか、ひとりでするか
3.モノ:必要な物や場所、買うのか借りるのか
4.カネ:事業にいくら必要か、そのためのお金をどうやって準備するか(自己資金、借入など)
これらを、いつまでにするかを期限を決めていきます。

ここからは、それぞれの内容をもう少し細かく書いていきますので、お時間があれば、メモ程度で構いませんので、書き出してみましょう。

1.事業内容

事業内容では、起業する事業の中身、自社の強み、競合との違い、業界の将来性を書いていきます。

事業内容の詳細

事業の中身は、あなたが事業として売っていくサービスや商品です。
ここは、あなたの考えなので、そんなに難しくはないでしょう。

もし、ここがすぐに出てこないとしたら、インプット不足が原因かもしれません。

もし、起業する事業の中身が出てこないときは、
・自分は何ができるか?
・自分の強みは何か?
・これまでの経験や知識は何か?
ひとよりもちょっとだけ優れていることでいいので、書いてみましょう。
この話を書くと長くなってしまうので、また別の記事で書いていきますね。

話を戻して、起業する事業の中身を考えるときの注意点は、その商品やサービスが本当に売れるかです。

よくあるのが、自分では必要であると思っているサービスであっても、お客さまからは求められていないケースがたびたび起こります。

仮に求められていたとしても、すでに大手企業が入り込んでいる業界でこれから始めるには、ハードルが高いケースがあるので注意しましょう。

自社の強み=自分のサービスの強み

もし、あなたのサービスと同じようなものを大手企業が売っていても、大手にはできない違いを作ることができれば、売れるサービスになります。

そのために必要となるのは、「自社の強み=自分のサービスの強み」を知ること。

例えば、私の場合だと経理を中心に仕事を受けています。
大手税理士事務所や会計事務所との違いでは、
・スピード感のある対応(月次決算は翌月5営秒日を目途に完了)
・ひとり社長に寄り添った対応
・ワンストップサービス(税理士、社労士、弁護士の間に入ってサポート)
を中心に行っています。

そして、最も重要にしているのは

ひとり社長の手元に時間とお金を残すこと

経理とひとことで書いてしまえば、大手税理士事務所や会計事務所との違いを作れませんが、
・15歳からお金の家計簿を作り始めている
・今でもお金の記録を毎日続けている
・人生100年計画を27歳で作って実行している

と、自分の強みを活かした方法で、違いを出しています。

あなたのサービスでも、何が同業他社と違うのか、まずはご自身の言葉で書いて理解しましょう。

競合との違い

自社の強みが分かったら、競合調査をしていきます。

競合が全くいない業界はないと思ってください。
もし、競合が全くないなら、そのサービスは求めている方がいないかもしれません。

競合調査は、インターネットを使って検索をして、自分と似ているサービスがいくらで、どのようなもの(サービス)で、どこまでお客さまのニーズを満たしているか確認します。

できるなら、実際に使っているお客さまから、満足しているか不満な点はないのか聞いてみましょう。

もし、不満な点があるなら、チャンス!

そこが自分のサービスで満足させることができないか、考えてみます。
もし、それができるのであれば、そこがあなたの競合との違いになってきます。

業界の将来性

業界の将来性も確認しておく必要があります。

今は人気のある業界であっても、将来どうなるかは分かりません。
これは厳密に調べることができるわけではないですが、業界自体が将来どのような方向にいくのかは知っておきましょう。

例えば、私の経理であれば、将来的はAIにとって代わる仕事であり、なくなる職業のひとつと言われています。

ただ、それは経理の一部の業務(記帳代行がメイン)であり、すべての「経理業務」がなくなる可能性は低いと考えています。

この部分についても、経理業務がAIでできるようになったときに、自分はどこでAIで勝てるか考えておく必要があります。

ここにも、自分の強み、競合(この場合はAI)を調べて、どこなら勝負できるか、書き出してその部分を磨いていきましょう。

2.ヒト:人を雇うか、外注するか、ひとりでするか

人を雇うか、外注するか、ひとりでするか?
これも事業に大きく関わってくることです。

ここでは複数の要因が絡み合うため、メリット・デメリットを一覧でまとめてみますね。

人を雇う
メリット〇やりたいことに集中できる
〇事業拡大をしていくことも可能
〇いざというときのリスクヘッジ
デメリット〇固定費が増加
〇採用・研修コストが増加
〇退職する可能性がある
外注する
メリット〇やりたいことに集中できる
〇事業拡大をしていくことも可能
〇必要な作業だけ任せられる
デメリット〇コストが増加
〇業務の説明や引き渡しの時間が必要
〇仕組みをマネされる可能性あり
ひとりでする
メリット〇自分の自由にできる(社員に気を使わない)
〇いつでも方向転換(新規事業の開始)が可能
〇コストがかからない
デメリット〇事業拡大は難しい(年商2~4,000万円が限度)
〇いざというときでも自分が対応しなくてはいけない
苦手なこともしなくてはいけない

人を雇ったり外注をすれば、コストが増える分、時間はできる可能性は上がります。(採用・研修に時間がかかるかもしれませんが・・・)

ひとりすれば、自分の自由にできて、コストは抑えられます。ただし、いざというときのリスクと苦手なこともしなくてはいけませんが。

これはどちらがいいというのではなく、どちらを目指すかの方向性の話なので、ご自身がどちらに進んでいきたいのか、考えておきましょう。

最初はひとりで始めて、将来的に雇う方法もあります。(反対もありますが、いちど雇うと辞めてもらうのは簡単ではありません。)

3.モノ:必要な物や場所、買うのか借りるのか

事業を行う上で必要なモノも考えておく必要があります。

特に、場所を借りる必要がある場合は、気に入る物件がすぐに見つかるとは限りませんし、見つかっても借りられないこともあります。(物件によっては審査もありますので)

そのため、事業が始められる状態であっても、物件がないために始めることができない場合も出てきますので、注意しましょう。

この部分は相手があることなので、自分の思うようにいかないことも多いです。(実際に審査で引っかかって事業が開始できない状況を見たことがありました。)

物に関しても、納品に時間がかかることがあるので、この辺りも事前にしっかりと調べておくことをおススメします。

場所や物に関しては、買うか借りるかの検討も必要です。

長い目で見れば買った方がコスト的には安く済みますが、思ったように事業がうまくいかなかったり、他のことがしたくなって撤退を考えたときは、借りているほうが手間もコストもかかりません。

テスト的に始めるなら、まずは借りて始めて、軌道にのってから購入する方がリスクは抑えられます。

4.カネ:事業にいくら必要か、そのためのお金をどうやって準備するか(自己資金、借入など)

お金については、とてもシビアに考えておくことがおススメです。

基本的に、売上は少なめに、コストは多めに見積もっておき、いざというときに資金不足が起きないようにしましょう。

一般的に用意する資金の目安は、設備などの初期費用+運転資金3~6か月分と言われています。

私が起業したときは、半年は無収入でも生きていける貯金を作った状態で、3年間は収入の目途を立てた状態でした。
更に、銀行から運転資金として借入れもして、不安なく起業しています。(不安症なもので。)

借入れについては、起業初期であれば日本政策公庫が借りやすいので、起業する前にいちど相談に行ってみることをおススメします。
※相談したからと言って必ず借りなくてはいけないわけではないです。

起業をすれば収入は自分の売上だけになるので、余裕を持った資金計画をしておきましょう。

まとめ

ビジネスプランは、ビジネスを始める最初の一歩としてとても重要なことです。

事業内容が決まらなければ、お客さまに適切な言葉で説明することができませんし、ヒト、モノをどうするかによって、必要なお金の部分も変わってきます。

借入れをするときには、今回の内容を銀行に説明する必要もあります。更に、最も重要なことは、これらについて期限を決めておくこと。

いつか起業をしたい!
と思っていてはいつまでたっても起業は進みません。

期限を自分で決めて、それに従って行動していくことは、自分との約束を守ることです。

自分で起業をすると誰からも指示されることはなく、期限を守らなくても文句も言われません。

だからこそ、自分との約束を守り続けていくことが、起業家にとって重要なことです。

私も、40歳までに起業すると決めて、ビジネスプランを作って、前倒しで計画を進めて38歳で起業・独立しました。

起業を目指す方も、起業している方も、ビジネスプランを作って、自分との約束を守り続けていきましょう。

来年も、
・具体的な事例を見る
・アウトプットをする
・ビジネスプランを形にする
ことをテーマに大野市で合宿を予定しています。

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 新井が起業までに経験したことを書いています。

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araihirofumi
経理のフリーランスとして仕事をしている「超経理 新井」です。 資金繰りを通して、お金の診断を行い、手元に残るお金を増やすサポートさせて頂いています。 今のお客さまの中には、1年で売上が6倍、手元に残るお金が10倍になったお客さまもいます。 「攻めたい社長」に並走できる、経営の分かる経理マン。会社の財務基盤を強くする専門家。 ✓毎月のお金の心配から解放されたい…! ✓経理業務の煩わしさを何とかしたい…! ✓社長が本来すべき、未来をつくる仕事に専念したい…! そんなあなたに、客観的に数字に向き合い、タイムリーな財務情報の提供を通じて、テンポの良い意思決定と強い経営基盤づくりをサポートしています。 地味で面倒に思われがちな経理業務ですが、数字が見えているからこそ積極的に経営に係われるはず…!そんな思いを込めて「超経理」と名付けました。