経理の仕事では、会社の中と外をつなげる役割が大きいと考えています。
会社独自の考え方や仕事の進め方、これらをいかに外に出していくか、これが経理として大切にしなくはいけない部分ではないでしょうか。
今回は、経理にとって必要な数字以外の仕事について書いていきますので、参考になれば。
1.経理の数字以外の仕事
経理の仕事では、専門用語の通訳や仕事の改善をする力が必要だと思っています。
経理の専門用語は読みにくく、特に税金や会計の専門用語はなじみにくいものが多く、そのままの言葉で社長に伝えても、理解されないことがあります。
仕事の改善では、仕事の効率化を目的にシステムを入れても、それだけで仕事が上手く回っていくことはありません。
①専門用語の通訳
経理の仕事のひとつに「通訳」があると思っています。特に、専門用語を並べると社長に伝わらないこともありますので、そのようなときに社長に伝わる言葉を選びながら話をしています。
例えば、
・源泉所得税納付書→毎月給料から天引きしている税金を収めるときに使った紙
・月別推移表:売上や経費を月ごとに集計したもの
・総勘定元帳:科目ごとの集計表
・税金を納付する:税金を払う
と言葉を変えたこともありました。
更に、伝わりにくいなと思ったときは、言葉だけではなく、図や絵、表など複数の方法を試して、社長自身が理解しやすい方法を考えて見せるように心がけています。
ときには、取引先や税理士さんの間に入ったり、営業や現業部門の間に入ったりなど、社長と外部、社長と内部の方をつないで「通訳」するような仕事もあると思っています。
②仕事の改善
仕事を効率的にするために、新しいシステムを入れるということを聞きますが、順番として仕事の見直しが先に来ると思っています。
例えば、販売管理システムを入れる場合、自分たちの業務の進め方を全く変えずにシステムで合わせようとすれば、膨大なコストもかかりますし、そのようなシステムはないと考えています。
だからこそ、システムを入れるときは、まず仕事の見直しを先に行い、その上でどのシステムが業務にあっているか、どんなシステムなら仕事を合わせていけるか検討する必要があるのではないでしょうか。
仕事を改善するときは、まず細かく仕事の流れを書き出していくことをおススメしています。
2.経理の立ち位置
経理の立ち位置を考えると、会社内部の立場でありながら、外部から見た視点も持っておき、会社独自の考え方や仕事の進め方を把握した上で、いかに仕事がうまく回るかを管理していくことも必要となります。
①内部の視点
例えば、売上を見るときは、
・どのような行動があって売上ができたか
・どのような営業や宣伝をしたか
・どのような条件で仕事を受注したか
など、業務を細かく分析して、そのひとつずつが効率よくできているか、数字で把握して、
どこにリソースを振り分けていくといいか考えることも必要となってきます。
これは中にいる人間にしかできないことであり、外から見ているだけでは気づくことはできないのではないでしょうか。
②外部の視点
経理として外部からの視点も忘れてはいけません。
経理は会社の内部で仕事をすることが多く、会社の考え方や進め方に染まりやすくなります。
そうなってくると、効率が悪くても過去の仕事の進め方に疑問を持たず作業をしたり、会社のやり方が間違っていても気づきにくくなります。
経理の仕事は最終的には、内部から外部(取引先、税理士など)に出していくことも多く、外部から見て、正しい仕事の進め方になっているか、取引きが正しいものかを定期的に観察して、必要なときは修正をなど指摘をしなくてはいけません。
経理が仕事の最終地点にいるからこそ、会社と内部と外部の両方の視点から仕事を見るようにしていきましょう。
・まとめ
経理の仕事は、帳簿を作って決算をして、税金を納付する仕事もありますが、数字の計算をするだけではありません。
経理の立ち位置としては、会社側に寄った位置で、会社を冷静に見る目が求められており、
会社の内部と外部、社長や従業員の間に立って、仕事を効率よく、かつ正しい方法で仕事が回っていくように管理していくことが必要となります。
だからこそ、会社の中の仕事を知ったうえで、経理が会社側に寄りながらも、うまく社長や会社を外部とつなげていく力が必要ではないでしょうか。
【編集後記】
昨日は、ロードバイクのサドルバックが来たのでチェック。すぐにサイクリングで使いたいと思いましたが、しばらく雨のなので断念。長距離の旅に出ようと計画中です。
【新体験】
クーリッシュ:メロンソーダ
人事奉行ソフトのテスト