独立2年目で注意したいことのひとつに資金繰りがあります。
独立1年目の確定申告が終わったタイミング(出来れば1月)で、年間の経費が把握できますので、2年目は資金繰り計画にも手をつけていきましょう。
独立2年目
独立1年目は、売上を伸ばすことだけに注力する方も多く、資金繰り計画を作るところまでの時間を取れなかった方も多いのではないでしょうか。
事業を継続していくには、資金(現金や預金)が最も大切であり、赤字であっても資金があれば倒産はしません。
反対に黒字であっても、資金がなくなれば利益が出ているのに、資金が不足してしまい、倒産する可能性が高くなります。
独立後は、売上で得た資金をどのように振り分けて使っていくかが重要になるため、ざっくりでもいいので資金繰り計画を立ててみましょう。
資金繰り計画の準備
資金繰り計画を作る手順は、次のように進めていきます。
※2021年1月1日に独立したと仮定
※2022年の資金繰り計画を作ると仮定
※数値はサンプルの数字
・資金の増減を確認
・経費科目をチェック
・経費以外の科目をチェック
資金の増減を確認
資金繰り計画を作るときは、まずは現状把握から始めます。
①2020年12月31日時点の資金残高の合計
②2021年12月31日時点の資金残高の合計
③ ②-①をする
③の値がプラスなら、2020年12月31日に比べて2021年12月31日時点の資金残高の合計
が増えていることになり、独立後の資金は増えたことになります。
もし、独立日が1月2日以降なら、独立した日の資金残高の合計を①に入れましょう。
これによって、独立1年目の資金が減ったか、増えたか分かります。
(細かく言うと、売掛金や買掛金など考慮する必要がありますが、今回はいったん考慮しません。)
経費科目をチェック
経費科目は、2021年の確定申告書をもとに、各科目の月々の費用がいくらになるか計算します。
もし、月々の数字を出すまでの時間がない方やざっくりと数字を把握できたらいいと考えている方は、確定申告書の数字を12カ月(独立した月〜12月までの月数)で割ります。
(2021年8月に独立した方は5(カ月)で割ります)
これにより、毎月の平均値が割り出されるので、まずは作ってみましょう。
経費以外の科目をチェック
経費以外の科目で重要となるのは、生活費(事業主貸)や借入金、社会保険料(国民健康保険や国民年金)などです。
これらは経費になりませんが、お金は出ていくものなので、これらの金額も確定申告書で把握しておきましょう。
資金繰り計画作成の注意点
資金繰り計画を作るときは、
・経費でお金が出ていかない科目(減価償却費や長期前払費用など)
・経費でないがお金が出ていく科目(借入金、長期未払金など)
の2つに注意しておきましょう。
経費でお金が出ていかない科目(減価償却費や長期前払費用など)
これは、すでにお金を前払いで支払ったものが対象となってきます。
例えば、車を現金一括で購入した場合は、お金は支払済みなので、資金は減りません。
ただ、減価償却費として毎月一定の金額を費用に入れていくため、経費には入ってきます。
経費でないがお金が出ていく科目(借入金、長期未払金など)
こちらは、経費にならないもので、資金は減っていくものの経費にはならないものです。
例えば、借入金を返済している場合は、元本は経費になりません。(利息のみは経費)
そのため、損益計算書だけを見ていても借入金の返済を捉えるのは難しくなるため、資金繰りを毎月確認しておきましょう。
まとめ
資金繰り計画は決算書よりも重要なものと考えています。
ただ、独立当初から作る方は少なく、資金繰り計画を作るのは苦手と考えている方も多いのではないでしょうか。
今回は、サンプルをつけておきますので、もし資金繰り計画を作ろうと思う方は参考にしていただければ。
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