起業後は経費をうまく使っていくスキルが必要になります。
売上がどんなにあっても、経費を使過ぎると手元にお金が残らなくなるからです。
経費の目安は、粗利の4割、そして手元資金は3か月分の経費と生活費。
まずは、これを目指しましょう。
手元にお金を残す人の特徴
手元にお金が残る方の特徴は、
1.経費が粗利の4割以下になっている
2.お金の予測を立てている
3.売上だけを見ない
経費が粗利の4割以下になっている
起業後に手元にお金を残すには、当たり前ですが「粗利>経費」になっていなくてはいけません。
粗利<経費
になってしまえば、支出が多すぎてキャッシュアウトに向かっていきます。
では、どのくらいの経費を使っていいか、それは「粗利の4割」。
※粗利とは:売上から原価を引いた利益。
八百屋なら野菜の販売価格から仕入価格を引いた差額になります。
事業を回していく上では、経費に加えて自分の生活費も必要になりますので、生活費も同じく「粗利の4割」を目安にしましょう。
つまり、経費+生活費=粗利の8割
になっていれば、その内訳が多少前後しても問題はありません。
しかし、生活費を減らして、経費が増やすときに経費に事業に関係がないプライベートなものが入らないように注意が必要です。
手元現金預金の目安は「3か月分」
事業を継続していくためには、3か月分の『経費と生活費』が目安になります。
では、3カ月分の『経費と生活費』とはいくらになるか?
これには個人差があり、30万円(10万円×3か月)で足りる方もいれば、300万円(100万円×3か月)でも足りない方もいるので、一概に言うことできません。
しかし、これは簡単に調べる方法があります。
それは、お金の記録をつけること。
経費と生活費が、毎月いくらかかっているか?
これを出して、3か月分の資金いくらになるか確認しましょう。
なぜ、3か月か?
では、なぜ3か月分の経費と生活費が必要になるか?
これは、急激な売上の落ち込みや営業停止があった場合に、資金調達にかかる時間の目安です。
資金調達力の強い企業(人)であれば、1~2か月で資金を準備することも可能ですが、多くの企業では資金調達にかかる時間は3か月ほど。
売上が落ちたり、事業が止まっても、固定費は払っていかなくてはいけませんし、ご自身の生活もあります。
常に、3カ月後の資金残高を把握しておき、いざというときの備えをしておきましょう。
売上だけを見ない
売上は、多ければいい!
という方もいますが、正しくは利益を増やすことが必要です。
売上が100でも、原価と経費を合わせて100では、利益はゼロ。
手元にお金は残りません。
だからこそ、私は、「とにかくたくさん」というより、適正な売上を目指すことを意識しています。
多ければ多いほうがいい!という考えには、限界がありません。
・自分にとって適正売上
・その金額はいくらになるか?
ここを把握しないと、売上が増えた分、働く時間も増えてしまい、休みなく常に働いてしまう状態になります。
これが続けば、ストレスから散財したり、身体を壊してしまい、手元にお金が残らない状況に
なってしまいます。
手元にお金を残していくためには、時間のバランスをうまくとり、経費をうまく使っていくことが必要になります。
まとめ
手元にお金を残し、事業継続のサポートを始めて感じるのは、自分がいくらお金を使っているか把握する重要性。
・事業を回していくために必要な経費はいくらか?
・生活費はいくらか?
・継続経営に必要な利益はいくらか?
ここを間違えると、
使ってはいけないお金を使ってしまったり、
もっと使っても大丈夫なのに躊躇してしまうことがあります。
ため込むよりも、使い方をマスターしていくことが、「手元にお金を残す」ことにつながっていきます。
事業を回していくために、経費ゼロというのはありえません。
そう考えると、
何に、いくら使うか。
どこに、使わないか。
そこをしっかりと決めて、行動していくことが
継続経営には必要となってきます。
まずは、自分に必要な経費を記録して、把握してみましょう。